和歌山県数学教育協議会
2017年第36回研究集会報告
2017年8月20日(月)、21日(火)
 於 : 和歌山県白浜温泉 「むろべ」
 
参加者は少なかったですが、泉南の方からの若い小学校の先生や新しい中学校先生の参加もあって、活気ある研究会となりました。

【1日目】
記念講演「わかって楽しい授業づくり」林由貴氏(宮城算数数学サークル)

 
小学校で実践された「子どもとつくる楽しい授業」を、映像をまじえながらお話しいただきました。林先生が心がけていることは、「大事なことは(教えるのではなく)子どもに見つけさせる」ことだそうです。子どもが見つけるまでひたすら待つということを大切にしていると話されました。また、子どもが発見した方法を「〇〇さん方式」と名付けて紹介することで、子どもが自信を持ち、授業に積極的に参加するようになるということです。最後に、「子どもも教師も楽しい授業を!」といって講演を締めくくりました。


全体会  「古きを訪ね 新しき(教具)を作る〜数教協古典連続講座(3)〜」小田富生氏(元和数協委員長)

 
小田先生が開発した教具「くらベール」、「テープ図navi」、「くらベールⅡ」、「らくらくタイル」、「単針時計ミニ」、「九九名人」、「電車は続くよどこまでも・・・」、「体積測定器(ハカールバケツ)」等が紹介されました。また、教具を作るのに便利な材料や道具も紹介されました。(紹介された教具は、ホームページ「算数工房」http://sansukobo.sakura.ne.jp/ にアップされています)



【楽しいものづくり〜算数・数学の教具・おもちゃ いろいろ〜】

 
プラ段ボールで作る「ブラックボックス」や全体会で紹介のあった「らくらくタイル」をみんなで作りました。


ナイター 真夏の夜の熱い算数・数学談義!】
沖縄大会の泡盛、粉河祭りの日本酒と焼酎、岡山全国教研のワイン等の差し入れもがあり、和歌山県の算数・数学談義が夜遅くまで繰り広げられた。


【小学校分科会】

「3年生の乗除の学習」山野小・原啓司
「空気の重さ?を調べよう」竜門小・覺道幸久


【中学校分科会】

「短時間で楽しくわかる正負の数」宇久井中・深瀬温子

 
常連にはおなじみのトランプゲームを核にした正負の数の実践がありました。そのことにより指導時間を短縮しつつ、イメージを持って計算規則を理解できる数教協の代表的な実践例ですが、指導者により大切にしているポイントの違いも垣間見え、ベテランにとっても話のネタの尽きない報告でした。
「『比例・反比例の利用』の指導について」熊野川中・塩崎昌之
 比例・反比例の応用問題は、わざわざ式化して解かなくても、小学校で学んだ倍々関係や比例式を用いれば簡単に解くことができます。それなのに、わざわざ式化して難しくすることが本当に「よさ」なのか? 比例だけで関数についてわからせようとしている教科書や指導書を批判的に検討して指導することが大切であるとの、熱い主張がありました。
「GCを活用した四角形4中点問題」桐蔭中・嘉摩尻)
 
ICT活用とアクティブラーニングという2つのキーワードをクリアできる「GC/html5」の紹介があり、それをグループワークで活用した指導の実践報告がありました。生徒たちには抵抗ないICTだが、ベテラン勢には手に負えない感が漂っていたかも…?


【高校分科会】
「高1の授業から~中学とのつながりを重視して」信愛高校・原義則

 私立高校1年生に授業するにあたり、中学校の学び直しと高校の学びを結び付ける必要があると感じ、中学校の教科書を確認しながら授業を進めていく中で気づいたことの報告がありました。素因数分解、式の展開・因数分解についての話がありました。また、図形の指導を中学校・高校とどう指導していくかのメモの紹介もありました。

「統計の授業から」和歌山高専・嶋田佳一

高等専門学校の生物応用化学科4年生に行っている「応用数学」の授業の概要の紹介がありました。資料の整理と分析の基本的方法、標準正規分布等を使って標本から母集団の性質を推定・検定するという内容の授業が紹介されました。
「シェルピンスキーの四面体」市和歌山高・加納秀記
 正四面体を組み合わせて作った「シェルピンスキーの四面体」の実物を見せていただきました。ある角度から見ると平面に絵が浮かび上がる工夫がされていました。
「完全数、その後」市和歌山高(定)・山脇修一
 以前に発表した「完全数」を教材化して、授業した実践が報告された。約数を見つけその和を求めるという作業の中で、「完全数」の話題を取り上げる実践でした。
「数列の授業」貴志川高校・阪田祐二
数列の和の公式を、タイルを切り取って貼り合わせるという作業をしながら導く方法が紹介されました。



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