和歌山県数学教育協議会
2016年第35回研究集会報告
2016年8月22日(月)、23日(火)
 於 : 和歌山県白浜温泉 「むろべ」
 
参加者は約40名でした。泉南の方からの若い小学校の先生の参加もあって、活気ある研究会となりました。


【1日目】

【記念講演】(13:10~15:30)「授業の達人から学ぶ授業づくり〜若い時に身につけておきたい基本的なテクニック〜」 林 和人氏(宮城県数教協委員長)
 
「学ぶことがおもしろいという火をどうつけるか?」ということをテーマにして、教材研究の心構えから、授業案づくり、授業の準備、授業の覚悟、授業の心構え等についてお話しいただきました。



【全体会】(15:40~17:00)「量の指導を考える〜数教協古典連続講座(2)〜」小田富生氏(元和数協委員長)
 昨年の「水道方式入門」に引き続き、数教協のもう一つの財産「量の理論」について話していただきました。「分離量」と「連続量」、個別単位、量の4段階指導(「直接比較」→「間接比較」→「個別単位」→「普遍単位」)、はんぱを量るためにできた「小数」と「分数」、「内包量」(度と率)、量の乗除をするために考え出された「かけわり図」、「倍」等、盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめてわかりやすく話していただきました。



【楽しいものづくり〜算数・数学の教具・おもちゃいろいろ〜 】(19:30~21:00)
 
ペットボトル空気砲、大型じゃんけん手のひら、みうら折り、四角錐体積説明器、BMI計算機などが紹介され、みんなで楽しく教具やものづくりをしました。


【ナイター】(21:00~23:30)

 宿泊者が集まり、時間を忘れて熱い算数・数学談義が行われました。



【2日目】

【校種別分科会】(9:00~12:00)

<小学校分科会 >
「わり算(素過程)ぐんぐん上達プリント」 小田富生
  水道方式でわり算の計算をどう進めていくかという話でした。3けた÷1けたの筆算を素過程に分けて、素過程の組合せとして筆算(複合過程)の指導をしていけば効率的に学習効果を上げることができるということでした。
「かけるの?わるの?かけわり紙芝居によるかけわり図入門」塩屋小・原啓司
 「かけわり図」を紙芝居風にした「かけわり紙芝居」を使ったかけ算・わり算の実践報告でした。動物の絵、人の顔、リンゴを描いた「かけわり紙芝居」を使って、「かけわり図」を導入し、かけ算かわり算かを考えさせる実践が紹介されました。
「丸みがあるけど、丸みがなくなった!」宮城県・林和人
 
講演で話しきれなかった円の面積の授業実践報告をしていただきました。子どもの発言や発見を元にして授業を進めていき、いろいろな等積変形によって円の面積を求めることにより数値が一致することに驚いて言った子どもの言葉が「丸みがあるけど、丸みがなくなった!」だそうです。


<中学校・高校分科会>
「いとしい教具たち」日高高校・原義則
  じゃばら折りを利用した極座標の指導実践がありました。また、てんびんの釣り合いを利用した整数の分割数の話もあり、整数、場合の数、分点の授業等で使えるネタも紹介されました。
「ベクトル」海南高校大成校舎・土谷茂治
 ベクトルは「多次元量」であることにこだわりをもっているそうです。また、1次結合や内積をどう教えるているかも話題になり、参加者で交流しました。
「ピタゴラスの定理の証明~あれこれ~」市立和歌山高校(定)・山脇修一
 山脇先生の近況や勤務校の状況についての話がありました。また、裁ち合わせでピタゴラスの定理を証明するパズルの紹介がありました。
「対数目盛の利用」貴志川高校・阪田祐二
 対数目盛を利用した「BMI計算器」・「ローレル指数計算器」をみんなで作りました。レポート内容は高校教研、県教研で説明してくるそうです。
「絵問題で考える連立方程式」 宇久井中・深瀬温子
 連立方程式の導入を絵で描いた問題で考えていく実践が報告されました。文章題も絵で描いた問題にすることで立式しやすくするという工夫がされていました。
「中高の接続を意識した確率の授業」 桐蔭中・嘉摩尻寿
 高校での確率の授業につながることを意識した、中学校での確率の授業実践が紹介されました。生徒の興味を惹きつけるために高校でも取り上げないような高度な問題も扱われていました。
「マイ授業風景」和歌山北高校西校舎・片山英樹
 普段の授業で生徒から出された素朴な質問や生徒からの「わからない」という言葉で悪戦苦闘する様子が報告されました。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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